使い込まれた木製の家具や、淹れたてのコーヒーの香りに、なぜかほっとした経験はないでしょうか。土や木の幹、動物の毛並みにも、茶色は自然の中でもっとも身近な色として存在しています。色彩心理学では、茶色という色が人の心に安定感と安心感をもたらす方向に働くことが知られています。赤や橙のような鮮やかな暖色とは違い、茶色は彩度を抑えた落ち着きのある色として、視覚から入った情報が過度な興奮を招かない性質を持っています。なぜ茶色を見ると心が落ち着くのか、なぜ茶色は信頼と安心の象徴とされてきたのか。使い古された革の手帳や、 ...